今、ウクライナやガザなど、世界中で戦争が起きています。戦争は戦場だけでなく、私たちが住む町や家でも起こります。ニュースでは戦いのことが多いですが、その裏で一番苦しんでいるのは、普通の人たちです。特に子どもたちは大きな影響を受けています。ガザでは、まだ2歳にもならない赤ちゃんが、大人からひどいことをされたような大ケガをして見つかりました。このように、子どもたちは体と心の両方に深い傷を負い、その影響は成長してからもずっと続くことがあります。
戦争で子どもが受ける心の傷は「トラウマ」と呼ばれます。体のケガは時間がたつと治ったり、治療できたりします。しかし、心の傷は目に見えないので、問題にされにくいことがあります。そして、その傷は一生消えないかもしれません。だから、このトラウマという問題をよく理解し、対策を考えることがとても大切です。子どもたちが元気になって、新しい生活を始めるためには、専門的な助けが必要です。最近、多くの専門家が、これを「世界の健康の危機」として考えるべきだと言っています。
子どものトラウマの程度を調べるために、「ACEs」というテストがあります。これは「子どもの時のつらい経験」を知るためのテストです。テストには「十分な食べ物や水がなかったことがありますか」「家族から暴力を受けましたか」など、10項目の質問があります。このうち3つ以上を経験した子どもは、PTSDという心の病気やうつ病、がんや心臓の病気などになる危険がとても高くなります。アメリカでは10人に1人の割合ですが、戦争が続く場所では、6人に1人の子どもが同時にいくつかのつらい経験をしています。これは、将来の社会に長く影響する世界の健康問題です。
世界のいろいろな場所で、子どもたちが苦しんでいます。ウクライナでは、何千人もの子どもが死んだりケガをしたりしました。ガザは「子どもにとって世界で一番危険な場所」と言われています。何万人もの子どもが死傷し、多くの人が故郷を離れなければなりませんでした。スーダンでも、たくさんの子どもが家を追われ、食料や教育、医療も足りていません。このような危機の中で生きる子どもたちにとって、戦争はテレビで見る遠い国の話ではありません。それは自分たちの毎日の生活そのものであり、人生のすべてを変えてしまうのです。