「エテルナウタ」は、「永遠の旅人」という意味の言葉です。これは、1957年にアルゼンチンの作家、エクトル・ヘルマン・エステルエルドさんが作った人気の漫画のタイトルです。この古い物語が、最近Netflixでドラマのシリーズになり、とても人気になっています。有名な俳優が主人公を演じています。ドラマは元の漫画の話を大切にしながら、新しいテーマも加えています。
このドラマが話題になったことで、原作者のエステルエルドさんにも注目が集まっています。なぜなら、エステルエルドさんと彼の家族には悲しい出来事があったからです。エステルエルドさんと4人の娘、そして娘の夫2人は、昔のアルゼンチンの軍の政府(1976-1983)に捕まえられて行方不明になりました。娘のうち2人は、そのときおなかに赤ちゃんがいました。彼らの家族は、40年を超えてもまだどこにいるか分かりません。
このドラマをきっかけに、昔、行方不明になった子どもたちを探す活動が再び活発になりました。その時代、たくさんの赤ちゃんや子どもが家族から無理やり連れて行かれました。そして、自分の本当の親を知らないまま育ちました。「五月広場の祖母たち」というグループは、長い間、そうした子どもたちを探しています。ドラマが始まってから、「自分の生まれた時のことを知りたい」という人からの連絡が6倍に増えました。
1976年から1983年まで、アルゼンチンでは軍が政治を行う「軍事独裁政権」という時代でした。この時代、政府に反対する人や学生などが、たくさん秘密に捕まえられて、殺されました。行方不明になった人は、およそ3万人いると言われています。エステルエルドさんのような作家やジャーナリストも、その一人でした。
エステルエルドさんの親族は、ドラマのポスターの上に行方不明の家族の写真をはり、SNSで助けを求めました。軍の政治が終わってから長い時間がたちましたが、まだ見つかっていない人が大勢います。このドラマは、アルゼンチンの悲しい歴史と、まだ解決していない問題を多くの人に知らせる、大切なきっかけになっています。