今、世界中で民主主義を信じる人が少なくなっています。多くの人が、政府は国民との「約束」を守っていないと感じています。地球の環境問題や戦争、経済の心配など、将来への不安が大きくなっています。このため、政府への信頼がなくなり、「強いリーダー」を求める人が増えています。そして、一部の人は「極右思想」という、とても過激な考えに興味を持つようになっています。
民主主義の国では、政府が国民の安全な生活を守るという「約束」があります。しかし、その約束が守られていないと感じ、不満を持つ人が増えています。専門家は、人々が「昔はよかったのに、今は大切な社会的な地位や自分たちの文化を失ってしまった」と感じる気持ちを「ノスタルジックな剥奪感」と呼んでいます。このように、何かを失ったという悲しい気持ちや、損をしているという感覚が、大きな怒りの原因になります。
怒りには2つの種類があります。1つは、社会をよくするために正しく怒る「道徳的な憤り」です。もう1つは、自分たちのグループだけを考え、他のグループを悪者にする「部族的な怒り」です。極右思想のグループは、この「部族的な怒り」をよく利用します。問題の本当の解決策を示すのではなく、関係のない人たちを攻撃させるのです。また、研究によると、社会の中で一人ぼっちだと感じる「社会的孤立」の状態にある人は、過激な考えに影響されやすいことがわかっています。
では、この問題にどう対応すればいいのでしょうか。一つは、人と人とのつながりを作り、孤独をなくすことが大切です。地域のスポーツ活動やボランティアなどに参加して、自分の居場所を見つけることが助けになります。しかし、それだけでは十分ではありません。政府は、人々が不満に思っている経済や社会の問題に、真剣に取り組む必要があります。そして、人々が自分の意見を平和的に言える場所を作ることも重要です。自分の声が政治に届くと感じられれば、人々は過激な考えに引かれにくくなるでしょう。