海に捨てられた、魚を捕るための網が世界中で大きな問題になっています。この古い網は「ゴーストネット」と呼ばれます。ゴーストネットは海の中をただよいながら、たくさんの魚やカメ、イルカなどを捕まえ続けます。これはまるで幽霊が漁をしているようなので、「幽霊漁業」とも言われます。海にあるゴミの10%以上は、このゴーストネットだと考えられています。一年に50万トンから100万トンもの漁の道具が海に捨てられているのです。ゴーストネットは海の生き物にとって、とても危険なゴミです。
オーストラリアでは、この危険なゴミを使って美しい芸術作品(アート)を作る活動が広がっています。2024年にケアンズで開かれた先住民のアート展(CIAF2024)では、ゴーストネットアートが一番の人気でした。アーティストたちは、海岸に流れ着いたゴーストネットやプラスチックのゴミを集めて、アートを作ります。例えば、カラフルなエイや大きなイセエビなど、海の生き物の作品がたくさんありました。ゴーストネットを使ったアートの作り方を教えるクラスも、すぐに予約がいっぱいになりました。
この活動は、オーストラリアの先住民のアーティストたちが中心になって行っています。彼らは、自分たちの文化で特別な意味を持つ動物(トーテム)などを作品のテーマにします。アートの材料になるゴミは、空港の近くの森など、意外な場所で簡単に見つかります。美術館や博物館でも、ゴーストネットアートはよく展示されています。海のゴミをアートにする活動はオーストラリアだけではありません。アメリカにも、海のゴミから大きくてリアルな動物のアートを作る「ウォッシュド・アショアー」というグループがいます。
ゴーストネットアートには、3つの良い点があります。一つ目は、ゴーストネットの深刻な問題をたくさんの人に伝えることです。二つ目は、作品を売ることで、アーティストや地域の経済を助けることです。三つ目は、海や海岸からゴミをなくし、自然をきれいにすることです。アーティストを支援する団体もあります。そこでは、集めたゴミをきれいにし、アートの材料にする方法を学ぶことができます。このような活動を通して、人々は海を守るために協力しています。