3月25日、東京地方裁判所は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、解散を命じる決定を下しました。裁判所は、旧統一教会が行った民法上の不法行為が、宗教法人法が定める解散命令の要件である「法令違反」に当たると判断しました。民法上の不法行為を根拠として解散が命じられるのは、これが初めてのことです。
旧統一教会をめぐる一連の問題を受け、文部科学省は2022年11月から調査を開始しました。宗教法人法に基づく「質問権」を行使し、教団の組織運営や財産の収支、活動状況などを調査しました。また、被害を訴える170人以上から話を聞き、被害の全容把握に努めました。
調査の結果、文部科学省は、1980年以降に元の信者が教団を相手取った損害賠償訴訟において、請求の一部または全部を認める判決が32件あったことを確認しました。和解や示談を含めた被害額は、約204億円に上るとのことです。教団の組織的な関与があったとして、文部科学省は2023年10月、東京地裁に解散命令を請求し、約5000点の証拠を提出しました。裁判所は、双方の意見を聞く審問を非公開で行い、現役と元の信者を含む5人が証人尋問を受けました。
今回の決定で、東京地裁は1980年頃から2009年にかけて約1500人が194億円を超える被害を受けたと認定しました。また、献金を勧誘するマニュアルの存在や、不幸な人々の不安をあおる悪質な手口を指摘しました。さらに、コンプライアンス宣言後も抜本的な対策がされず、40年にわたり全国で被害が相次いだことから、教団の行為には「組織性」「悪質性」「継続性」があると判断しました。そして、これらの行為が解散命令の要件である「著しく公共の福祉を害する」ことに当たると結論づけました。
この決定に対し、阿部俊子文部科学大臣は「国の主張が認められたと受け止めている。今後も旧統一教会への対応に万全を期す」との見解を示しました。
一方、旧統一教会の田中富広会長は、「国による明らかな信教の自由の侵害だ」と決定を批判し、東京高等裁判所に即時抗告する考えを明らかにしました。