AIは、私たちの生活を便利にする新しい技術です。しかし、この便利なAIを、世界中の誰もが同じように使えるわけではありません。研究によると、ChatGPTのようなAIは英語ではとても上手に答えます。でも、英語以外の言葉では、うまく答えられないことが多いです。たとえば、タミル語で「メールを書いて」とAIに頼むと、間違いだらけの英語の文が出てくることがあります。これでは役に立ちません。その結果、世界の多くの人たちは、バランスの悪い、あまり信じられないAIを使うしかありません。AIを作る大きな会社は、多くの人の必要とすることを後回しにしているように見えます。
どうしてこのような言葉の問題が起きるのでしょうか。AIは、インターネットにあるたくさんのテキストを読んで勉強します。インターネットの情報は、英語がとても多いです。しかし、他の言葉は、学習するためのデータが足りません。このような言葉を「低資源言語」と呼びます。AIの会社はアメリカなどの国に集まっていて、そこで集めやすい英語のデータを中心にAIを開発します。そのせいで、スワヒリ語やクルド語のように何百万人もの人が話す言葉でも、後回しにされてきました。その結果、英語を話さない人たちは、AIの技術が進んでも、そのメリットを受けることができずにいます。
この問題の影響は、経済や便利さだけではありません。文化にも大きな影響を与えます。AIが出す答えは、英語を話す国の人たちの考え方や価値観を強く反映します。他の国の言葉のデータが少ないと、その国の大切な文化や考え方がAIから消えてしまうかもしれません。また、この問題を直そうとして、インターネットからデータを集めることにも危険があります。インターネットには、機械翻訳による間違いがたくさんあるからです。AIがその間違ったデータを学習すると、もっとひどい答えを出すようになってしまいます。「早く動いて、物事を壊せ」という言葉がテクノロジー業界にはありますが、この考え方が問題を大きくしているかもしれません。
この問題を解決するために、できることはあります。一番大切なのは、AIを開発する会社が、今まであまり見てこなかった国や地域の人たちと一緒に歩むことです。大きな会社は、データの少ない言葉を話すコミュニティと協力し、この不公平をなくす必要があります。AIを作るときにいろいろな国の人の意見を聞き、AIの答えが正しくて信頼できるか確認しなければなりません。また、それぞれの地域でAIを開発しているリーダーたちと力を合わせることもできます。このような文化を大切にするアプローチによって、AIは一部の人だけでなく、世界中の人たちの役に立つツールになるはずです。