インド洋にある国、モルディブが国連の大事な目標を達成しました。それは、人からうつらない病気で早く亡くなる人を減らすという目標です。うつらない病気には、心臓の病気、がん、糖尿病などがあります。世界保健機関(WHO)によると、世界中でたくさんの人が70歳になる前にこれらの病気で亡くなっています。この問題は、特に所得が低い国や小さな島の国で深刻です。運動が足りなかったり、輸入した加工食品をたくさん食べたりすることが原因の一つです。
なぜモルディブは目標を達成できたのでしょうか。専門家は、デジタル技術をよく使ったことと、病気の予防に力を入れたことが大きな理由だと言っています。WHOの助けを借りて、まずファー環礁という場所で新しいプログラムを試しました。このプログラムでは、住民の健康についての情報をデジタルシステムに登録し、病気になる危険がないかチェックしました。住民の93%以上が登録しました。モルディブのほとんどの島で5Gインターネットが使えることも、成功の助けになりました。
このデジタルシステムのおかげで、病気を早く見つけて、ひどくなる前に治療を始めることができます。遠くの島に住む人でも、簡単に自分の医療の記録を確かめることができます。ファー環礁の学校では、このプログラムで生徒や先生たちの健康への意識が高くなりました。検査で血圧が高いとわかった先生は、運動をしたり食事に気をつけたりするようになりました。また、がんになる危険がある「ビンロウの実」という木の実を食べるのをやめた人もいました。
この成功したやり方は、今モルディブの他の地域にも広がっています。そして、同じような問題を持つ他の小さな島の国にとっても、良いモデルになります。しかし、デジタル技術を使うためには、訓練された人や、電気、インターネットなどが必要です。専門家は、病気の予防に投資することはとても大切だとも言っています。ある研究では、予防への投資は、その費用の19倍もの経済的な効果があると計算されています。
モルディブは目標を達成しましたが、まだ課題もあります。うつらない病気は、今でもモルディブの人が亡くなるいちばん大きな原因で、全体の約84%を占めています。これから高齢の人が増えると、この問題はもっと大きくなるかもしれません。WHOは、これからもタバコやお酒のルールを厳しくするなど、世界中で予防への取り組みを強めることが必要だと言っています。