インドの都市部としぶで、「DINK(ディンク)」というライフスタイルを選えらぶ人ひとが増ふえています。DINKは「二人ふたりで働はたらいて収入しゅうにゅうがあり、子供こどもがいない夫婦ふうふ」のことです。今いま、インドでは生活せいかつに必要ひつようなお金かねが高たかくなったり、将来しょうらいもらえる年金ねんきんが十分じゅうぶんではなかったりする問題もんだいがあります。また、家事かじや子育こそだては女性じょせいの負担ふたんが大おおきいことも理由りゆうの一ひとつです。このような理由りゆうで、子供こどもを持もたないと決きめる夫婦ふうふが増ふえています。最近さいきん、ある若わかい夫婦ふうふが「たくさん収入しゅうにゅうがあっても、経済的けいざいてきに子供こどもを持もつのは大変たいへんだ」とSNSで話はなして、話題わだいになりました。インドの統計とうけいでは、40歳さい以上いじょうで子供こどものいない女性じょせいの割合わりあいが増ふえていることも分わかっています。

昔むかしのインドでは、子供こどもが年としを取とった親おやの世話せわをするのが普通ふつうでした。しかし、子供こどもが仕事しごとのために遠とおい町まちや外国がいこくへ移うつり住すむことが増ふえ、それが難むずかしくなりました。国くにの年金ねんきんをもらえる人ひとも少すくないので、多おおくの人ひとが老後ろうごの生活せいかつを心配しんぱいしています。そのため、子供こどもが将来しょうらい、自分じぶんたちを助たすけてくれると考かんがえるのは難むずかしくなっています。DINKの夫婦ふうふは、子供こどもに頼たよらず、自分じぶんたちで老後ろうごの準備じゅんびをします。旅行りょこうや買かい物ものを楽たのしむだけでなく、家いえを買かったり、将来しょうらいのために貯金ちょきんをしたり、自分じぶんのスキルアップのためにお金かねを使つかったりしています。

子供こどもを一人ひとり育そだてるお金かねもとても高たかくなっています。都市部としぶでは、子供こども一人ひとりが21歳さいになるまでに、約やく1200万まん円えんから2200万まん円えんもかかると言いわれています。今いまの親おやは、子供こどもに「一番いちばんいい教育きょういくを受うけさせたい」と強つよく願ねがっています。その気持きもちが、子育こそだてのお金かねをさらに高たかくする原因げんいんの一ひとつです。そのため、収入しゅうにゅうが十分じゅうぶんにある夫婦ふうふでも「子供こどものためにどれだけお金かねを使つかうべきか」と悩なやみ、子供こどもを持もつことをためらうことがあります。

問題もんだいはお金かねだけではありません。時間じかんの使つかい方かたも大おおきな理由りゆうです。インドの調査ちょうさでは、女性じょせいは給料きゅうりょうのない家事かじや育児いくじに1日にち平均へいきん約やく7時間じかんを使つかいますが、男性だんせいは3時間じかんより少すくないです。子供こどもが生うまれると、女性じょせいの負担ふたんはさらに重おもくなります。仕事しごとを辞やめなければならないこともあり、経済的けいざいてきなリスクも大おおきいです。女性じょせいには給料きゅうりょうがもらえる産休さんきゅうが26週間しゅうかんありますが、男性だんせいが育児いくじのために長ながく休やすむ制度せいどはまだ整ととのっていません。

このような状況じょうきょうから、DINKという選択せんたくは、夫婦ふうふで平等びょうどうに分担ぶんたんすることが難むずかしい負担ふたんに対たいして、自分じぶんたちを守まもるための方法ほうほうだとも言いえます。最近さいきんは、子供こどもを持もたない生いき方かたへの社会しゃかいの見方みかたも変かわってきました。そのため、夫婦ふうふはお金かねだけでなく、時間じかんやキャリア、個人こじんの目標もくひょうなど、いろいろなことを考かんがえて話はなし合あえるようになりました。DINKの夫婦ふうふは、将来しょうらいをあきらめているわけではありません。どうなるか分わからない未来みらいの安全あんぜんを、子供こども一人ひとりに頼たよることをやめたのです。都市部としぶのカップルにとって、子供こどもを持もたないことは、自分じぶんたちの人生じんせいをよく考かんがえた、合理的ごうりてきな選択肢せんたくしの一ひとつになっています。