7月に、国連の会議がありました。その会議で、沖縄から来た人たちが日本政府に大切なお願いをしました。「昔から沖縄に住んでいる私たちのことを『先住民族』だと法律で認めてください」と言いました。そして、「アメリカ軍の基地が原因で起きているたくさんの問題を解決してください」とも訴えました。国連は2008年から何回も日本政府に同じアドバイスをしていますが、政府はまだ認めていません。
日本には、昔からその土地に住んでいる人々がいます。北海道の「アイヌ民族」と、沖縄の「琉球民族」です。琉球は、昔は「琉球王国」という独立した国でした。日本政府は、2008年にアイヌ民族を先住民族として公式に認めました。2019年にはアイヌの文化などを守るための法律もつくりました。しかし、琉球民族のことは、まだ先住民族として認めていません。
なぜ琉球民族は認められないのでしょうか。その理由の一つは歴史にあります。今から100年ぐらい前、日本政府は沖縄の人たちに、日本と同じようにさせる「同化政策」を行いました。例えば、琉球の名前を日本の名前に変えさせたり、学校で琉球の言葉を使うことを禁止したりしました。そのせいで、琉球の言葉は「なくなってしまいそうな言葉」だとユネスコから言われています。このような歴史のため、沖縄の人の中にも、「自分たちは先住民族ではない」と考える人もいます。
もう一つの大きな問題は、アメリカ軍の基地です。第二次世界大戦の後、アメリカは沖縄を支配し、たくさんの基地を作りました。1972年に沖縄は日本に返されましたが、今でも多くの米軍基地が残っています。日本にあるアメリカ軍の基地の約70%が沖縄にあります。これらの基地は沖縄の土地の15%以上を使っているため、地元の人たちは狭い場所に住まなければなりません。基地の存在が、沖縄の人たちが自分たちの権利について声を上げることを難しくしているのです。
沖縄の中には、「もし琉球民族を先住民族だと認めたら、米軍基地がなくなって日本の安全が危なくなるかもしれない」と心配する意見もあります。このため、先住民族の権利を求める活動をする人たちは、自分たちの権利を守ることと、地域の安全との間で、とても難しい立場にいます。歴史と今の基地問題が複雑に関係している、非常に難しい問題なのです。